ストレートネック

ストレートネックとは、本来であれば前方に緩やかにカーブしているはずの首の骨（頸椎）が、まっすぐになってしまった状態を指します。
これは正式な病名ではなく、首の骨の配列が乱れた「状態」のことです。
「スマホ首」とも呼ばれ、特にスマホの長時間利用が主な原因の1つとされています。

正常な首の骨は、約30度から40度のカーブを描いており、このカーブがボーリングの玉ほどもある重い頭（約5〜6kg）を支えるためのクッションの役割を果たしています。
しかし、ストレートネックになるとこのクッション機能が失われ、頭の重みが直接、首や肩の筋肉、さらには骨の関節や椎間板にのしかかってしまうのです。
例えば、頭をわずか15度傾けるだけで首には約12kg、60度も傾けると約27kgもの負荷がかかると言われています。

ご自身の首がストレートネックの傾向にあるかどうかは、自宅で簡単にチェックすることができます。

まず、壁を背にして、かかと、お尻、肩甲骨をぴったりとつけます。
そして、顎を軽く引き、自然にまっすぐ前を向いてみてください。
この状態で、後頭部が壁に自然につきますか？

もし、後頭部が壁につかない、あるいは意識して力を入れないとつかない場合は、ストレートネックの可能性が高いと言えます。
また、壁と後頭部の間に手のひら1枚分以上の隙間がある場合も注意が必要です。

このチェックで当てはまった方や、すでに首や肩のつらい症状にお悩みの方は、一度専門家へ相談することをおすすめします。

画面を覗き込む「うつむき姿勢」は、首に最も大きな負担をかける原因です。

パソコン作業に集中するあまり、無意識に頭が画面に近づき、肩より前に突き出す姿勢が長時間続くことも原因の1つです。

猫背になると、バランスを取るために自然と頭が前に出てしまいます。
猫背とストレートネックは密接に関係しているのです。

睡眠中に首のカーブが不自然な角度で固定されてしまう高すぎる枕は、ストレートネックを悪化させる原因となります。

正しい姿勢を維持するためには、首や背中を支える筋力が必要です。
運動不足でこれらの筋肉が弱ると、重い頭を支えきれなくなってしまいます。

最も一般的なのは、首、肩、背中（特に肩甲骨まわり）の慢性的な痛みや凝りです。
マッサージなどで一時的に楽になっても、原因が改善されないため、すぐに症状がぶり返してしまいます。

状態が悪化すると、首の骨の変形によって腕や手につながる神経が圧迫され、腕から指先にかけてのしびれや痛み、筋力低下を引き起こすことがあります。
さらに、首の骨の間でクッションの役割を果たしている椎間板に圧力がかかり続けると、「頸椎椎間板ヘルニア」を発症し、激しい痛みや麻痺につながるリスクもあります。

首まわりの筋肉が常に緊張していると、頭部へ向かう血流が悪化したり、神経が刺激されたりします。
これにより、後頭部から締め付けられるような「緊張型頭痛」や、ふわふわとした「めまい」、吐き気などを引き起こすことがあります。

首の深い部分には、呼吸、心拍、消化などをコントロールする自律神経が密集しています。
ストレートネックによる首まわりのゆがみや筋肉の硬直がこの自律神経のバランスを乱すと、原因不明の様々な不調（不定愁訴）が現れることがあります。

具体的には、寝つきが悪い・眠りが浅いといった「不眠」、常に身体がだるい「全身の倦怠感」、胃もたれや便秘・下痢などの「胃腸の不調」、さらには「動悸」や「息苦しさ」など、その影響は全身に及びます。

当院ではストレートネックの施術において、症状の改善と再発予防を重視しています。
ストレートネックは長時間のスマホやパソコン作業、姿勢の乱れが原因となりやすく、首や肩のこり、頭痛、手のしびれなどにつながることがあります。
施術では首や肩、背中の緊張をやわらげるとともに、骨盤や背骨のバランスを整え、自然な首のカーブを取り戻すことを目指します。
さらに、姿勢を維持するインナーユニットを鍛え、正しく使えるように導くことで首や肩への負担を減らし、再発しにくい身体づくりをサポートします。
また、日常生活での姿勢改善や簡単なストレッチなどセルフケアもお伝えし、快適な生活を長く維持できるよう支援しています。

首や肩の痛み、頭痛などの症状、普段の姿勢、生活習慣などを詳しくヒアリングし、根本原因を特定します。
姿勢矯正、EMS、栄養指導を組み合わせたオーダーメイドのプランを提案します。
まず、手技で全身のゆがみを整え、その後、EMSで姿勢を支えるための筋肉を強化します。
施術効果を持続させるため、自宅でできるストレッチや、正しい姿勢の意識、栄養摂取に関するアドバイスを行います。

接骨院での保険適用は、原因が明確な急性の外傷（骨折、脱臼、打撲、捻挫、挫傷）に限られます。
そのため、スマホ操作やデスクワークによる姿勢不良、長年の負担の蓄積が原因で起こるストレートネックは、慢性的な症状として扱われ、保険適用の対象外となります。その場合は自費施術でのご案内となります。

当院では、自費施術だからこそ行える、姿勢評価や筋バランス検査を含めた丁寧なアプローチで、ストレートネックの根本的な要因に向き合った質の高い施術を提供しています。気になる症状がある方はお気軽にご相談ください。

1.フェイスタオルの両端を持ち、首の後ろに当てます。
2.両手でタオルを斜め45度上方向に軽く引っ張ります。
3.その張力に少しだけ抵抗するように、ゆっくりと頭を後ろに倒し、天井を見上げます。
4.首の自然なカーブが作られるのを感じながら、気持ち良い範囲で数秒間キープします。

1.両腕を後ろで組み、肩甲骨をぐっと中央に寄せるように胸を張ります。
2.そのままゆっくりと腕を上げられるところまで持ち上げ、5秒キープします。
3.デスクワークの合間に行うことで、丸まった背中や巻き肩の改善に効果的です。