ぎっくり腰

ぎっくり腰（急性腰痛症）は、特定の病名ではなく、急激に発症した腰痛の総称です。
レントゲンやMRIなどの画像検査では異常が見つからないケースが多く、主に腰の関節や筋肉、靭帯といった組織が損傷することで引き起こされます。
急な動作をきっかけに発症することが多いですが、実はその背景には、日々の生活習慣によって蓄積された腰への負担が隠れています。

長時間のデスクワークや立ち仕事、育児や介護など、同じ姿勢を続けることで腰まわりの筋肉は常に緊張状態に。
この緊張が血行不良を招き、筋肉が硬くなることで、些細な動きでも損傷しやすい状態になります。

猫背や反り腰、足を組む癖など、無意識の姿勢の偏りは、骨盤や背骨のゆがみにつながります。
土台である骨格がゆがむと、腰の特定の部位に負担が集中し、ぎっくり腰のリスクが格段に高まります。

身体の深層部で背骨や骨盤を支える「インナーマッスル」が衰えると、姿勢を維持する力が弱まります。
その結果、アウターマッスルに過度な負担がかかり、腰椎が不安定になることで、急な痛みにつながりやすくなります。

重い荷物を持ち上げたり、急に身体をひねったりする動作は、準備のできていない筋肉や関節に大きなダメージを与え、ぎっくり腰の直接的な引き金となります。

精神的なストレスは、無意識のうちに筋肉を緊張させ、血行を悪化させます。
また、睡眠不足や栄養バランスの乱れも筋肉の回復を妨げ、疲労を蓄積させる一因となり、ぎっくり腰のリスクを高めます。

最も一般的なタイプで、腰の筋肉や筋肉を覆う筋膜が微細に断裂したり、炎症を起こしたりする状態です。
重いものを持ち上げた際など、筋肉に強い負荷がかかったときに発症します。

腰椎（腰の骨）をつなぐ靭帯や関節包といった組織が、許容範囲を超えて伸びたり、損傷したりした状態です。
無理な体勢で身体をひねったときなどに起こりやすいのが特徴です。

骨盤にある仙腸関節にズレや炎症が生じることで起こります。
中腰での作業や、片足に体重をかける動作が多い方に見られ、腰の下部やお尻まわりに痛みが出やすい傾向があります。

当院では、ぎっくり腰の根本原因を「インナーマッスルの機能低下」と「骨格のゆがみ」にあると考えています。
痛みが強く出ている急性期には、まず特殊な電気施術「ハイボルト療法」を用いて、炎症と痛みを迅速に抑制します。
痛みの震源地に直接アプローチすることで、即効性の高い効果が期待できます。
そして、痛みが落ち着いた段階で、身体の土台である骨盤や背骨のゆがみを整える「骨格矯正」や、筋肉の柔軟性を取り戻す「筋膜ストレッチ」へと移行。
最終的に、天然のコルセットであるインナーマッスルを「楽トレ」で鍛え上げ、腰に負担のかかりにくい、安定した身体へと導きます。

徹底した原因検査

なぜ痛むのか？その原因を特定しない限り、根本改善はあり得ません。
当院では、姿勢分析や各種検査を通じて、筋力バランス、骨格のゆがみなどを徹底的に分析し、痛みの根本原因を突き止めます。

ハイボルト療法

ぎっくり腰の激しい痛みや炎症を抑えることに特化した電気施術です。
深層部の組織にまで到達し、痛みを素早く緩和させながら、血流を促進して組織の修復を早めます。

骨格矯正・CMC筋膜ストレッチ

身体のゆがみが痛みの原因となっている場合、土台である骨盤や背骨を正しい位置に戻す必要があります。
当院独自のソフトな骨格矯正と、硬くなった筋肉を柔軟にする筋膜ストレッチで、全身のバランスを整え、腰への負担を軽減します。

楽トレ（複合高周波EMS）

痛みの再発を防ぐ鍵は、身体を支えるインナーマッスルにあります。
「楽トレ」は、ご自身で鍛えることが難しい深層筋に直接アプローチし、寝ているだけで効率的に強化。
安定した体幹を作り上げ、痛みを繰り返さない身体へと導きます。

ぎっくり腰（急性腰痛症）は、「いつ、どこで、何をして痛めたか」と言う原因が明確な急性のケガの場合、健康保険の適用対象となることがあります。
しかし、保険適用範囲内の施術だけでは、痛みの根本原因である骨格のゆがみや筋力低下へのアプローチが難しく、再発のリスクが残ってしまいます。
当院では、早期回復と根本改善を目指すため、保険施術に加えて、ハイボルト療法や骨格矯正、楽トレといった自費施術を組み合わせることを推奨しています。

ズキズキと脈打つような強い痛みがある時期です。
まずは炎症を抑えることが最優先。氷嚢などで15〜20分ほど冷やしましょう。
入浴は避け、シャワーで済ませてください。
コルセットがあれば着用し、腰への負担を最小限に。

以前は「絶対安静」が常識でしたが、近年の研究では「安静にしすぎは回復を遅らせる」ことが分かっています。
激痛が和らぎ、少し動けるようになったら、痛みの出ない範囲で徐々に普段の生活に戻していくことが早期回復の鍵です。
血行を促進するためにぬるめのお湯にゆっくり浸かり、次の簡単なストレッチで固まった筋肉を優しくほぐしましょう。