むくみ・冷え

むくみは医学用語で「浮腫（ふしゅ）」と呼ばれ、皮膚の下にある細胞と細胞の間の空間（組織間質）に余分な水分が溜まった状態を指します。

私たちの体内の水分は、血管やリンパ管を通じて常に循環しています。
しかし、何らかの原因でこの水分の循環が滞ると、血管から染み出す水分量が増えたり、組織から水分を回収する力が弱まったりして、特定の部位に水分が溜まってしまいます。
特に、重力の影響を受けやすい足（特にふくらはぎやすね）は、むくみが現れやすい代表的な場所です。

冷えは、手足の先といった身体の末端部分が温まらず、常に冷たい感覚がある状態です。
多くの人が「冷え性」と言う言葉を使いますが、これは正式な病名ではなく、西洋医学的には「血行不良」として捉えられます。

全身の熱は血液によって運ばれるため、血流が悪くなると身体の隅々まで熱が行き渡らなくなり、冷えが生じます。
特に、心臓から最も遠い手足の末端は、血行不良の影響を最初に受けやすい部位です。

デスクワークや立ち仕事で長時間同じ姿勢を続けると、重力によって下半身に血液やリンパ液が溜まりやすくなります。
特に、ふくらはぎの筋肉は「第二の心臓」とも呼ばれ、血液を心臓に戻すポンプの役割を担っていますが、動かさないことでこの機能が低下し、むくみや冷えにつながります。

筋肉は体内で熱を生み出す最大の器官です。
運動不足などにより筋肉量、特に姿勢を支えるインナーマッスルが減少すると、基礎代謝が低下し、熱を十分に作り出せなくなります。
また、筋ポンプ作用も弱まるため、血行が悪化し、むくみと冷えの両方を引き起こします。

塩分の多い食事は、体内に水分を溜め込む性質があるため、むくみの直接的な原因になります。
また、身体を冷やす食べ物（冷たい飲み物、夏野菜など）の過剰摂取や、ビタミン・ミネラル不足も血行不良を招き、冷えにつながります。

ストレスや不規則な生活によって自律神経のバランスが崩れると、体温調節機能がうまく働かなくなります。
交感神経が過剰に優位になると、血管が収縮して血行が悪化し、手足の冷えを感じやすくなります。

むくみによって溜まった老廃物や余分な水分が、脂肪細胞と結びつくことでセルライトが形成されやすくなります。
血行不良も重なると、セルライトはさらに硬く、目立つようになってしまいます。

私たちは、つらいむくみや冷えの根本原因を、身体を支える深層の筋肉「インナーマッスル」の機能低下にあると考えています。
インナーマッスルがうまく働かないと、身体の中心が不安定になり、骨盤のゆがみや姿勢の悪化を招きます。
これが血管やリンパ管を圧迫し、血液やリンパの流れを滞らせてしまうのです。

この悪循環は、日々のデスクワークや生活習慣の中で少しずつ進行し、
・深層筋の硬化による血管の圧迫
・ストレスによる自律神経の乱れと血管の収縮
・筋力不足による基礎代謝の低下と熱産生力の低下
といった形で身体に現れます。

当院では、この「インナーマッスル」の状態を的確に見極め、温熱療法や筋肉を緩めるケアはもちろん、独自の「羽田野式ハイボルト療法」や深層筋を直接活性化させる「複合高周波EMS（楽トレ）」、さらには東京大学発のベンチャーが開発した体幹矯正具「トランクソリューション」などを駆使し、あなた本来の健やかな身体を取り戻すお手伝いをします。

これにより、血液やリンパの流れがスムーズになり、むくみや冷えを根本から改善へと導きます。

当院では、お一人ひとりの身体の状態を詳細に検査し、最適な施術を組み合わせたオーダーメイドのプランをご提案します。

1.徹底した原因検査

まずは丁寧なカウンセリングと検査で、むくみや冷えがどこから来ているのかを徹底的に探ります。
姿勢分析や筋力バランスのチェック、可動域の確認などを行い、インナーマッスルの状態や骨盤のゆがみを正確に把握します。

2.羽田野式ハイボルト療法

痛みが強い場合や、筋肉が極度に硬直している場合には、まずハイボルトと言う特殊な電気施術器を用いて、深層部の筋肉の緊張を和らげ、血行を促進します。
これにより、つらい症状を迅速に緩和させます。

3.骨格・骨盤矯正

身体の土台である骨盤や背骨のゆがみを、ソフトで痛みの少ない手技で調整します。
骨格が正しい位置に戻ることで、神経や血管への圧迫が取り除かれ、全身の巡りがスムーズになります。

4.複合高周波EMS（楽トレ）

自分では鍛えることが難しいインナーマッスルを、複合高周波EMS（楽トレ）を使って効率的にトレーニングします。
ベッドに横になっているだけで、深層筋を直接刺激し、筋力と基礎代謝の向上を図ります。
これにより、熱を生み出しやすく、血行の良い体質へと改善していきます。

5.経穴（ツボ）へのアプローチ

東洋医学の観点から、血行促進や自律神経の調整に効果的な経穴（ツボ）を的確に刺激します。
金属粒などがついたテープを貼ることで、持続的にツボを刺激し、気血の流れを促して身体の内側から不調を整えます。

急な環境の変化や負担によって生じた一時的なむくみや急性的な冷えによる不調については、症状の原因や状態によって健康保険が適用される場合があります。
一方で、長期間続く慢性的なむくみ・冷えや、明らかな原因がなく身体のゆがみや血行不良に起因する不調は、自費施術の対象となります。

ご自身のむくみや冷えが保険適用の対象かどうか分からない場合は、お気軽にご相談ください。
専門のスタッフが丁寧に状態を確認し、分かりやすくご説明いたします。

かかとの上げ下ろし

デスクワークの合間に、座ったままでもOK。
1時間に1回、20～30回程度、ゆっくりとかかとを上げ下げしましょう。
ふくらはぎの筋肉を意識的に使うことがポイントです。

股関節ストレッチ

仰向けに寝て、片方の膝を両手で抱え、ゆっくり胸に引き寄せます。
20秒キープしたら、反対側も同様に行います。
股関節周りの大きな血管の圧迫を解放します。

足首回し

椅子に座るか、床に座り、片方の足首をもう片方の膝の上に乗せます。
手で足の指と指の間に指を絡め、ゆっくりと内外に各10周ずつ回します。
滞りがちな末端の血流を改善します。

睡眠中は自律神経のバランスが整えられる重要な時間です。
寝る前のスマートフォンの使用を控える、寝室の環境を整えるなどして、質の良い睡眠を確保しましょう。