骨折

骨折とは、骨の連続性が完全または部分的に断たれた状態、つまり骨にヒビが入ったり、折れたり、砕けたりすることの総称です。

一般的に「ヒビ」と「骨折」は別のものと考えられがちですが、医学的にはヒビも不全骨折と言う骨折の一種に含まれます。

骨は非常に硬い組織ですが、許容範囲を超える大きな力が加わることで損傷してしまいます。

骨を覆う「骨膜」には神経が豊富なため、他のケガより強い痛みを感じる傾向があります。
特に、骨折している一点を押すと激痛が走る「限局性圧痛」は、骨折を判断する上で重要なサインです。

通常では動かないはずの場所が動いたり、外見が明らかに曲がったり短くなったりして変形している場合は、骨折が強く疑われます。

折れた骨の端同士がこすれ合うことで生じる「ゴリゴリ」「ギシギシ」といった特有の感触や音です。
無理に確認する必要はありませんが、動かした際に感じた場合は骨折の可能性が高いです。

痛みが非常に強い場合や、出血量が多い骨折では、顔面蒼白、冷や汗、めまいといったショック症状を引き起こすことがあります。

交通事故や高所からの転落など、非常に大きな力が身体に加わることで発生します。

骨粗鬆症などで骨の強度が低下している場合に、転倒などの比較的弱い力で発生する骨折です。

一度の大きな力ではなく、同じ部位に繰り返し小さな負担がかかり続けることで発生する骨折です。

腫瘍や感染症などの病気によって骨が脆くなっている場合に、ごくわずかな力で発生する骨折です。

閉鎖骨折（単純骨折）

骨折した部分の皮膚に傷がなく、骨が体外に露出していない状態です。

開放骨折（複雑骨折）

折れた骨が皮膚を突き破って体外に露出している状態です。
細菌感染のリスクが非常に高く、緊急の対応が必要となります。

不全骨折（ヒビ）

骨の一部に亀裂が入っているものの、完全には折れていない状態です。

完全骨折

骨が完全に2つ以上に分かれてしまっている状態です。（横骨折、斜骨折、螺旋骨折、粉砕骨折など）

骨が正常にくっつかず、治癒が長引いたり、最終的に治癒が止まってしまう（偽関節）ことがあります。

整形外科は「医師」が診療を行う医療機関です。
レントゲンやMRIといった画像検査によって骨折の確定診断を下すことができます。
また、手術や投薬（痛み止めなど）、診断書の作成は医師のみが行える医療行為です。

整骨院では「柔道整復師」と言う国家資格者が施術を行います。
柔道整復師は、骨折・脱臼・捻挫といった外傷の専門家であり、手術や投薬を行わずに、手技によって骨を元の位置に戻す「整復」や、ギプスなどを用いた「固定」といった応急処置を得意としています。

当院の最大の特徴は、痛みの「本当の原因」を見つけ出し、根本的な改善を目指すことです。
骨折後のケアにおいて重要なのは、単に骨が癒合するのを待つことではありません。
なぜ骨折に至ったのか、そして骨折によって生じた二次的な問題（筋力低下、かばうことによる身体のゆがみなど）にまで目を向けることが、真の回復への近道です。

私たちは、全員が柔道整復師と言う国家資格を持つ「身体のプロ」集団です。豊富な知識と経験に基づき、一人ひとりの状態に合わせたオーダーメイドの施術プランをご提案します。

1. 応急処置（急性期）

受傷直後には、痛みを抑え、腫れを最小限にするための応急処置（RICE処置など）と、患部の固定（ギプスシーネなど）を行います。
その後、精密な検査や診断のために提携する医療機関にご紹介します。

2. 後療法（回復期・リハビリ）

骨の癒合がある程度進み、医師の許可が出た段階から、本格的なリハビリテーションを開始します。
当院では、この回復期のサポートに特に力を入れています。

関節可動域訓練

ギプス固定などによって硬くなった関節の動きを、手技療法を用いて少しずつ回復させ、関節拘縮を防ぎます。

筋力トレーニング

固定中に衰えてしまった筋肉を、安全かつ効果的に取り戻すためのトレーニングを指導します。

先進治療器の活用

近年、骨折の治療では、骨の癒合を早めるための「超音波骨折治療法」などが注目されています。
当院でも、痛みの緩和や治癒促進、筋力強化のために、最新の医療機器を積極的に活用します。

骨折の応急処置や、医師の同意を得たその後の施術には、健康保険が適用されます。
初回の窓口負担金は、保険割合によって異なります。

患部を動かさず、安全な場所で安静にします。

氷のうなどをタオルで包み、患部に15～20分当てて冷やします。

患部を自分の心臓より高い位置に保ちます。

カルシウム

骨の主成分です。
牛乳・乳製品、小魚などを積極的に摂りましょう。

ビタミンD

カルシウムの吸収を助けます。
サケなどの魚類のほか、日光浴でも体内で作られます。

ビタミンK

骨へのカルシウム沈着を助けます。
納豆やほうれん草などに多く含まれます。

特に高齢者の方は、自宅内での転倒が多く見られます。
床の段差をなくし、手すりを設置するなどの工夫が重要です。